【パナマ文書】租税回避地に限りなく近いシンガポール
これに対して昨年2015年7月1日より、国外転出時課税、いわゆる「出国税」という税制が施行された。出国税とは、金融資産を1億円以上有する富裕層が海外に移住する際、その金融資産の含み益に対して15%が課税される制度だ。
近年のグーグルやアップルなどの多国籍企業による租税回避スキームについて、OECDは「BEPS(税源浸食と利益移転」)」として問題視し、 2015年末に情報開示やタックスヘイブン対策税制の強化などを含む報告書を公表した。またパナマ文書を受けて、パナマを含む複数国に対し、「国際間の金 融口座情報の交換基準」への参加圧力をかけるなど、国際的な役割は大きい。
シンガポールはOECDの活動に参加しているのみで加盟はしていないが、その動向を重要視している。例えば、OECDが2009年に公表した租税協 定の国際基準について、シンガポールは一定基準を満たしていないとされたため、その後1年間で各国との情報協定などを急速化させた。最近では、先に述べた 金融口座情報の交換基準について、来年2017年からの施行を目指し整備を進めている。
それでも移住したい人はどうぞご自由に。